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2009年7月31日

●遺骨を拾う人


ふと10年くらい前に旅をした、アメリカの世界遺産に指定された国立公園をめぐる旅を思い出したの。

西海岸にあるユーロックのネイティブ・アメリカンの人たち。
もともとそこは誰の土地でもなく、彼らが自然と共存して生きていた場所。
ゴールド・ラッシュの頃だったかな。
東海岸に住むお金持ちが、西海岸に移り住むようになり、住む家を建てるために
レッド・ウッドの森からたくさんのセコイヤの木を切り出した。
そんなことがあって、今では2パーセントしか森林が残っていない。
アメリカ政府は、その森林を保護するために、ユーロックの人たちが住んでいた場所を
国立公園に指定してしまった。
彼らはそこに住めなくなったばかりか、
生活に必要なバスケットを編むためのシダの枝もとることが許されない。
食料であるサーモンも年間に決まった漁しかできず、次々と民族は別の場所へと移り住むしかなくなってしまったのですって。
そのうち、文化も歴史も語り継ぐことができなくなった。
それを、サポートしているのが環境保護に力を入れる、若い白人たち。
私が訪ねたコミユニティーには、たくさんの若い白人がいて、
老人達から歌や歴史を語り聴いたり、民芸品のラグやバスケットの織り方や編み方を習っていました。

白人との諍いで命を失った、ネイティブ・アメリカン達は、「体はなくなっても、魂は死なない。再びこの場所に再生してくるので、死ぬことは怖くない。」と、叫び、息絶えたとか。

ふ〜っと、想像したんだけど、
もしかして、彼らの文化を語り次世代につなぎ、保護しようとしている彼らは、
すぐに生まれ変わって、また地球に再生した、ユーロックの魂を受け継いだ人達だったりして。

今日は、仙台DATE FMの収録でした。
戦争を知らない、たくさんの大学生の人たちが、太平洋戦争で亡くなった方々の遺骨収集をしているという話題でお話しをしました。

骨を拾いながら、彼らは遺骨からどんなメッセージを受け取っているんだろうって、
思ったの。
骨の形や大きさをそろえて一対とし、骨をつなぎ合わせていくんですって。
骨を人の姿につなぎ合わせるのと同時に、平和の大切さをも語り継ぐ彼らは、
もしかして、時代の流れの中で望まずして命を落とさなければならない皮肉な運命を万歳と叫びながら受け入れた人たち?
彼らは、神様の計らいですぐに生まれ変わり、戦争の記憶と平和の大切さを語り継いでいるのかもしれないな。
中には前世における自分の骨を拾う人もいるのではないかとそんなことを考えていました。

人の骨は宝。

その宝ものは、私たちに平和の大切さを語る、素晴らしいメッセンジャーとなって、
再び人の手のぬくもりに大切に抱かれるのだろう。

明日から北海道ツアーです。
3日目は、帯広でMUSIC&DRAMA。

私たちが生きているうちに、うたいかたれるものは、
何だろう。