介護の話題、昔は、人ごとだったかもしれないな。
今や、私もその一員。
ネットで調べてみたら、介護に関わる方々の本音で一番多かったのは、
「しんどい」って言えない。そんな心の声でした。
最近、メンバーや、友人とも自分の親もしくは、旦那さんの両親の介護の話が自然に出るようになりました。
そういう年になったんだな〜としみじみ。
「赤ちゃんなら、おむつがとれて、自立していくけれど、
どんどん子供になっちゃう両親の介護は果てが見えない。
そして、ある日突然始まって、自分も、介護生活に入るんです。」
昨年から、介護疲れで軽いうつ状態でカウンセリングにみえるクライアントの方が、
ぽつぽつ増えてきました。
ひとりの人にかかる責任や重圧が多すぎる。
核家族化の弊害も見え隠れしています。
2/6日福島県、いわき市にある、アリオスホールと地元福祉団体の企画、「おでかけアリオス」で、
自宅で介護をされている方々や、介護の仕事をしている方々向けのLIVEをやりました。
この「おでかけアリオス」。
言ってみれば、出前ホールコンサート。
制作者、出演者がホールを飛び出して、地元の方々に芸術や音楽を届けるという素敵な趣旨です。
「関の湯」という温泉施設に集まった50人くらいのお客様。
お客様、音楽が始まる前、隣の控え室に集まっていただいたようなのですが、
皆さん、せきを切ったように、お話しに花が咲いて、ものすごく盛り上がっていたそうです。
普段、なかなか人に相談できないことや、苦労話を他の人たちとわかちあうだけでも、
ずいぶん気分が晴れることでしよう。
皆さん、自宅介護や、介護に関わるお仕事など、されている人たち。
平均年齢は想像を超えて、かなり高かったので驚きました。
こりゃ、しんどいだろうな...と思いきや、
「それはあたりまえ。」と、介護を自然に、受け入れているようにも見受けられ、
それもそれで切なく感じられ、
「汽車」という曲の歌詞が、私の感情をしめつけ、本番中に思わず、
泣いてしまいました。
その時に起こった出来事と、自分の感情に正直に一緒にいること。
私は自分の感情に正直でいることを許したの。感情を止めないようにして。
そんな正直な姿でいることが、今日、ここの会場に集まった「しんどい」と言えずに暮らしている人たちにとって、
人間らしい感情をとりもどすためのHealingになったら、
この日のLiveは素敵な時間になると思い、
我慢しないで、泣きました。
45分という短い時間でしたが、
凝縮された内容と、世界の広がりは、会場を素晴らしい充実感でいっぱい!
Liveが終わって、ロビーにいたら、
小学生低学年くらいの女の子を連れた女性に、涙声で呼び止められました。
「この子の母親が、昨年亡くなったんです。私は母親の姉で、この子をひきとって、
自宅で父親の介護をしています。」
思わず、もらい泣き。
妹の死、そして、この人生を引き受けた彼女の中にある、
言葉にできないいろんな感情を、私が感じたからかもしれません。
こういう時、何も、言葉が出てきませんでした。
だから、彼女と一緒にただ、泣きました。
私達の音楽が、ほんのひとときでも、みなさんのしんどい日常から離れて、
介護をする人が、ひとりの人間である場所にもどり、
時々、自分らしさに価値を感じてもらえたら、
こんなにうれしいことはありません。
そして、翌日は、「今日はお母さんお休みの日」ライブです。