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2021年2月16日

●古墳が私たちに語りかけてくるもの。

私は、子供の頃から、無性に古代遺跡などに惹かれてきました。
ご縁があって、宮崎県、西都原古墳の、
世界文化遺産への登録取得への取り組みと、
日本遺産の認定を目指すためのお仕事の一部に関わるようになり、
昨年から、室町時代から続く御陵祭を原型とする、
古墳祭の中で使う音楽製作をさせていただきました。
 天孫降臨の神話が息づく南国宮崎には、
今も、古代の景色が広がる場所が残されています。
 私がお仕事をした西都原古墳群は、九州最大の規模を誇る古墳群で、
何がすごいって、南北4、2キロ、東西2.6キロ、
ものすごく広い土地のなかに、300基を超える古墳が点在しています。
 しかも、その古墳の周りには、建築物がほとんどなく、
太古の昔から同じ風景が残っているんですね。
 皆さんも機会があったら、是非、一度、行かれてください。
この場所に立つと、太古の人たちと同じ目線で、
その場所の空気を感じることができます。
 よく森林浴という言葉がありますが、まさに、歴史欲ができる貴重な場所。
 こういう場所に来ると、
自分の先祖たちがどんな気持ちでいたのかなということや、
自分自身の根源的なところに、
自身が立ち帰れるような気がします。
 そんな静かな時間に留まる事で、同時に、
自分の気持ちが大きく、広がっていく気持ちにさえなります。
 この地域の皆さんは、どうやったらこの古墳群、歴史的遺産の価値を、
多くの人たちに伝えることができるかという事をずっと考えていて、
その足がかりということで、古代古墳文化のシンポジウムが開かれ、
私もパネリストとして参加させていただきました。
 地元の考古学の東先生のナビゲートの元、
古墳が大好きで古代文明をファンキーな作品にして全国の古墳がある地域で、
古墳の魅力を伝えている、まりこふんさんと、私、
話は白熱し時間が足りなくなるほどでした。
 古墳に込められた太古の人々の思いは、
現代に生きる私たちにも共通するものがあるように思います。
 この世を去る人たちが、残された子孫に伝えたいことは、
どんなことだろう?
 「今まで、ありがとう。家族仲良く暮らしてね、
みんなが幸せでありますように。」
 そんな願いを持って、人が旅立つとしたら、
 国家を平和と調和を基に納めてきた重要な人たちの願いも、
きっと、同じようでないかと思うのです。
 生きている人たちは、古墳を作りながら、先人の思いを受け取り、
そしていつか自分も、子孫にその思いを受け渡す。
 現代人の私たちは、自然の風景と、古墳だけ見ていると、
あまりに静かなその景観に、退屈するかもしれない。
でも、大事なことはここに込められた、
人々の目に見えないエネルギーなんだとわかれば、
古墳は私たちに、いろんなことを語りかけてくるように思えました。

古墳は、そんな神聖な意図によって作られた精神の鋳型。
音楽や芸術や文化には、その鋳型に沿って、
魅力的にその精神を人々に伝え、
伝承していくことに何か働きを持てるかもしれません。

その可能性を、体験させてくださった、
西都市の児玉さん、ナッキーさん、会場のお世話に駆け回ってくださった、
皆さん、本当にありがとうござました。

このお仕事で生まれた、
『クニツクリノウタ』『ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメ』
は、AQUANOMEの中で、ますます熟成させて行きたいと思います。

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