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2021年3月11日

●今年もあの日がやってきました。

江戸時代、その場所の埋め立てが始まったのだそうです。

リアス式海岸沿いに、

川から流れてきた堆積物の上に土を盛り、

海の一部だったその場所を

人々は陸に変えて行きました。

やがてそこに人が住むようになり、商店が出来、駅ができて、

街になりました。


デビューしてから数年後、

両親とお墓参りに行った時、

電車で海岸線沿いを走ったことがありました。

背後に高い山があり、

その山の裾から平坦に広がる街が見えました。

それがそのようにして作られた場所だったのかあ。


震災後、何度もお訪れた東北の街。

何年経っても、空はとても高く、地面はいつまでも低いままでした。

その土地こそ、昔、海の一部だった場所。


津波は、自分を取り返しにやってきたんだなと思いました。

自然は壊されたら、いつか、必ず、自分を取り返しにやってくる。


私たちはそのことになかなか気がつけない。

ふと辺野古の海が頭の中を過ぎりました。


EPOさん?被災した東北は、時間軸では動いていません。

住むところや、仕事や様々なものが、ひとつづつ増える時、

それが私たちのアニバーサリーと感じています。」

地元で聴いた言葉でした。


「夢に出てきたんだよね。お父さんが。元気でやってるから心配すんなて」

「時々、気配がすんの。台所でさあ」

「時々、気配がすんの。台所でさあ。」

「あの場所で青い光を見たんだあ。」


愛する人や家族を失った人たちは、

時々こんな言葉を口にします。

私たちは目に見えないものを大切に思うことを、

本来は、信じているのだと思います。